「離婚を考えているけれど、自分ひとりでやっていけるか不安…」そんなお悩みありませんか?
最近は3組に1組のカップルが離婚すると言われており、離婚すること自体そんなに珍しいことではありません。
しかし、母子家庭の貧困率となると正直低くはありません。そのため離婚後のことを考えずに離婚してしまうと、生活が大変になってしまうことも。
そこで今回は、離婚後の生活設計の考え方についてファイナンシャルプランナーが解説します。
なお、当店では離婚を経験したシングルマザーが在籍しており、離婚に関するご相談も承っておりますので、お金のことで不安な点がありましたらどうぞご相談ください。
シングルマザーの生活が苦しくなる理由
そもそも、どうしてシングルマザーの貧困率は高いのでしょうか?
だって離婚したらパートナー分の生活費は必要なくなるし、子どもがいるなら養育費ももらえるのでは?と思いますよね。
シングルマザーの生活が苦しくなる主な理由は以下の3つです。
- 養育費は支払われないことが多い
- 思ったように働けないことが多い
- 相談できる相手がいない
1.養育費はもらえないことが多い
離婚しても養育費をもらう約束はするし、そこまで収入が足りなくなることはないのでは?と思うのは自然なこと。
ですが、残念なことに養育費は支払われないケースが多いのです。
たとえば調査結果によると、松山市内における母子家庭で養育費をもらっている方はたったの31.8%しかいません。
出典:令和2年度 松山市ひとり親世帯実態調査 結果報告書(令和3年3月)
養育費を受け取れないというのはよく聞く話ですが、およそ7割の家庭では養育費を受け取っていないのです。
では、なぜこのような状況になってしまうのか?養育費をもらえていない理由を5つ挙げてみました。
- 離婚協議の際に養育費の取り決めが不十分だったから
- 相手の連絡先がわかららなくなって支払いを催促できなくなったから
- 強制執行をしようにも、手続きが複雑・コストがかかる等で断念してしまったから
- 相手が再婚して養育費を支払えなくなったから
- そもそも相手方の収入が少なく、支払い能力がないから
もちろん離婚前に養育費の取り決めはしてほしいものの、養育費には未払いリスクがあることから養育費ありきで離婚後の生活を考えるのは正直リスクがあります。
そこで、養育費が振り込まれたらそれはすべて貯金に回して、生活設計を考える上では「養育費はないもの」として計算しておくことをおすすめします。
なお、養育費の未払い問題については別記事でも詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。
関連記事:養育費の未払い率は高い!それでも離婚後は生活できる?
2.思ったように働けないことが多い
養育費をもらえないなら、働く時間を増やせばOK!という考えもありますよね?しかし、シングルマザーだと思ったように働きづらいという現実があります。
そもそもシングルマザーは一人で仕事もしつつ、子育てもしなければなりません。そのため、フルタイムでは働けずにパートタイムの仕事を選ぶママも多いのです。
実際にシングルマザーの就業形態を調べたところ、「正社員」が最も多く47.9%でしたが、「パート・アルバイト」も35.6%と割合としては多くを占めています。
正社員 | 47.9% |
---|---|
パート・アルバイト | 35.6% |
派遣社員 | 5.0% |
自営業 | 4.5% |
その他 | 6.9% |
参照:令和2年度 松山市ひとり親世帯実態調査 結果報告書(令和3年3月)
もちろん子育てを助けてもらえる親族や友人がいたり転職に有利な資格を保有している方なら、フルタイムで働けたり、高時給で働くことも可能でしょう。
しかし現実には思ったように働けない方が多く、結果的に生活が苦しくなってしまうのです。
3.相談できる相手がいない
離婚後の悩みをなかなか相談できる相手がいないのも、シンママ生活が苦しくなる原因のひとつではないでしょうか?
というのも実際に母子家庭では「家計について」困っている方が多いというデータがあります。
出典:令和2年度 松山市ひとり親世帯実態調査 結果報告書(令和3年3月)
特にお金のことが絡む話だと、いくら仲の良い友人にも相談はしづらいもの。そんなときこそ思い切って専門家に相談してみませんか?
離婚の専門家といえば弁護士を想像すると思いますが、家計のことを相談するならファイナンシャルプランナーに相談するという選択肢もあります。
なお当店では離婚後の資金相談やカウンセリングも受け付けているので、詳しくはこちらの関連記事をご覧ください。
離婚後の生活のために今できること
離婚後に苦しい生活を送らないためにも、「離婚」という文字が頭に浮かんだ時点でいったん離婚後の生活設計を考えてみましょう。
生活設計では、以下のようなことを考えてみてください。
- 離婚後の働き方はどうする?
- どこに住む?住居費は?
- 生活費はどれくらいかかる?
- 子どもの教育費は?
これらを計算していく上で、生活していけそうなら離婚後の生活もそこまで苦しくはならないでしょう。ただし、ここで生活費が足りないようならいったん離婚を踏みとどまるのも手です。
ここで大事なのが、生活設計を考えるのは「離婚に踏み切る前」にするということ。
特に小さなお子さんがいて思うように働けない方や、持病や介護があって思うように働けない方は離婚後の家計の収支が厳しくなる可能性があります。
もちろんパートナーと離れることの方が、生活が苦しくなるよりも重要かもしれません。しかし、お金がない生活は想像以上に余裕がなくなってしまうもの。
離婚を考えているなら、今すぐにでもシングルになった後の生活設計を考えてみてください。正直、生活のやりくりが厳しいようなら離婚を待つことも大事です。
関連記事:これだけはやって!離婚を考えたらやっておくべきこと3選
実際にいくらあれば生活できる?
では実際に、いくらくらいあれば生活できるのでしょうか?ここでは3ステップにわけて解説します。
- 収入の見込みを計算する
- 公的な補助が使えるか調べる
- 必要な支出を計算する
1.収入の見込みを計算する
まずは離婚後の収入を計算してみましょう。
今、正社員で働いている方は今の仕事を続けますか?それとも転職する?パートで働いている方なら、今の仕事を続ける、もしくは正社員の仕事を探すのもありでしょう。
専業主婦の方は、まずは就職先を探すところから始めないといけませんね。特に小さいお子さんがいる場合、就職先を探すのは大変なこと。
なお上記でもお伝えしたとおり、養育費は払われなくなるケースが多いです。養育費は計算に入れずに生活設計しておくと、いざ養育費が未払いになったとき「お金が足りない!」と焦らずにすみます。
2.公的な補助が使えるか調べる
自分の収入だけではやっていけない場合、公的な補助をどれだけ利用できるか?調べておくことも重要です。
たとえば、児童扶養手当は所得に応じて以下の金額を受給することができます。
全部支給(月額) | 44,140円 |
---|---|
一部支給(月額) | 10,420円~44,140円 |
※参照:児童扶養手当(愛媛県松山市)
※2023年4月現在(物価スライド制の適用による改定あり)
※対象児童の人数によって加算あり
また、他にもシングルマザー向けの再就職支援や福祉貸付資金などの制度もあるので、詳しくは自治体の窓口にお問い合わせください。
このように必要に応じて公的なサポート制度も利用し、適切な生活設計を立てることが大切です。
とはいえ、こういったシングル家庭への補助も意外と所得制限があることも。申請すれば必ず利用できるわけではないという点に注意しておく必要があります。
関連記事:離婚したら使える自治体の公的支援まとめ
3.必要な支出を計算する
手当を含んだ収入を計算できたら、離婚後に必要な支出も書き出してみましょう。たとえば、このような支出項目になるかと思います。
住居費 | 家賃やローン、光熱費など |
---|---|
光熱費 | 電気代や水道代、ガス代など |
通信費 | 携帯電話代やインターネット通信料など |
食費・日用品費 | 食費、衣類、日用品など |
教育費 | 学費や学用品、塾代など、子供の教育に必要な支出 |
車両費 | ガソリン代や車検、メンテナンス代など |
保険料 | 加入している保険の保険料 |
医療費 | 診察代、薬代など |
また、今まで会社員の妻で専業主婦の方や扶養内パートで働いていた方など、今までパートナーの社会保険の扶養に入っていた方は扶養がなくなるため、国民年金保険料や国民健康保険料などの支払いの負担が増えます。
自分自身で社会保険に入らない限り、これらの支払いの負担が増える点には注意してください。
以上が一般的な支出となります。これら支出額が収入より下回るなら貯金はできるものの、支出額の方が上回るようなら貯金を取り崩す生活になってしまいますよね。
家計が赤字になりそうな状況でそのまま離婚すると、生活が苦しくなってしまうのも当然のこと。
離婚した後、どのような収入・支出の割合であればシングルマザーでもやっていけるのか?離婚する前に必ず一度は計算してみましょう。
松山市のシングルマザーの平均生活費は?
ここまでは生活設計の考え方についてご紹介してきましたが、実際にシングルマザーの平均的な生活費って知りたくないですか?
そこで参考までに、当店がある愛媛県松山市のシングルマザー家庭のデータがあるのでご紹介します。
出典:令和2年度 松山市ひとり親世帯実態調査 結果報告書(令和3年3月)
まず、松山市における母子家庭の年間就労収入は「100〜200万円未満」が最も多く36.0%という結果でした。
一方で「収入と生活費のバランス」を見てみると、「収入と生活費が同じ」もしくは「収入より生活費が多い」が過半数となっており、貯金していくどころか貯金を取り崩したり、銀行や親族から借りたりしてなんとかやりくりしている方が多いようです。
出典:令和 2 年度 松山市ひとり親世帯実態調査 結果報告書(令和3年3月)
ちなみに家計の中で何が最も負担に感じるのか?というと、「食費」そして「育児・教育費」でした。
出典:令和2年度 松山市ひとり親世帯実態調査 結果報告書(令和3年3月)
食べ盛りのお子さんがいるなら食費はどうしてもかかるという事情もありますが、最近は物価高騰の影響もあり、食費が家計の中で大きなウエイトを占めるのはやむを得ないでしょう。
このように、収入や支出は各家庭によるものの、思った以上に余裕はない方が多いのが現実です。そこで、離婚後の生活設計を考える上では、
- 経済的な安定を確保するために再就職や転職、スキルアップを目指す
- 子供の将来を考えて教育費の貯蓄プランを立てる
- 子供の学費や医療費を見据えて、家計の見直しを行い節約する
こういったことも含めて考えておきたいものですね。
離婚する前にファイナンシャルプランナーに相談してみませんか?
シングルで生活していくのはやはり大変なこと。さらに、離婚するまでにもお金はかかるので100万円程度のまとまったお金も必要になります。
このまま、本当に離婚しても大丈夫ですか?
もし離婚してもやっていけるか心配な方は、ぜひファイナンシャルプランナーに相談してみてください。
「お金のこと」や「家計のこと」に特化した専門知識を有するファイナンシャルプランナーが、あなたのライフプランニングをお手伝いします。
また、当店のスタッフは全員シングルマザーでもあるので、離婚後の家計についてだけでなく、今抱えているお悩みについてのカウンセリングでもOK!
「離婚する・しない」で悩み続けるのはもうやめましょう。ぜひ一緒に、離婚後のライフプランを考えてみましょう。ご相談のお申し込みは下のボタンからどうぞ。