「このまま一緒に暮らしていくのはもうイヤ!早く離婚したい…」もちろん今すぐにでもお子さんを引き取って離婚したいお気持ちはわかります。
しかし、養育費の支払いにはトラブルがつきもの。
養育費は「もらっていない」もしくは「途中で未払いになった」というケースが多く、現在養育費をもらえているご家庭はたったの28.1%しかいないというデータもあります。
養育費をもらえないなら、果たして自分ひとりで子どもを育てていけるのだろうか?と思うと、ますます離婚に踏み切れなくなってしまいますよね。
そこで今回は、養育費が未払いになる理由や、養育費の未払いに備えるための対策について解説したいと思います。
なお当店のスタッフは全員がシングルマザーであり、離婚後のライフプランニング相談や離婚に向けたカウンセリングなどを実施しております。
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養育費の相場は「月5万円」
未成年の子どもを育てるのにはお金がかかるため、離婚して子どもを直接養育しない親(非監護親)も養育費を負担する義務があるとされています。
ところで、この養育費っていくらくらいもらえるか知っていますか?
もちろん養育費は双方の経済力などをもとに協議して決めるのでケースバイケースではありますが、月額数万円から数十万円といわれています。
参考までに、令和3年の一世帯平均月額は50,485円でした。
参考:令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(厚生労働省)
自分の収入や所得に応じてもらえる児童扶養手当などにプラスして、これだけ養育費をもらえるなら自分ひとりでもお子さんを育てていけるかも?と思われるかもしれませんね。
ですが、残念なことに養育費は未払いになるケースが多いのです。
養育費はもらえないことが多い
この養育費をもらうことは「子どもの権利」です。慰謝料とは異なり離婚の原因を作った側であるか否かは関係ありません。たとえ養育費を受け取る側=離婚の原因を作った側であっても、養育費を受け取ることができます。
しかし、養育費をもらえている方は少ないのが現実です。
参考までに厚生労働省の調査によると現在、母子家庭で養育費を受け取っているという方はたったの28.1%だけでした。
参考までに当店が所在する愛媛県松山市でも「現在、養育費をもらっている」と回答した割合は全国平均よりやや多いものの、それでも33.6%です。
養育費を最初からもらっていないというケースだけでなく、途中で支払われなくなるケースもあるので、実に10人中3人ぐらいしか養育費を受け取れていないという計算になります。
ではなぜ、こんなにも養育費をもらえないのでしょうか?
理由の1つに、養育費を払わなくても罰則がないことが挙げられます。そのため最初から養育費を踏み倒す人がいたり、事前に養育費の取り決めをしていたとしても途中から払わなくなる方がいるのです。
また、受け取る側としてもこれ以上連絡を取りたくないなどの理由で、養育費の受け取りをあきらめてしまうケースも。
もちろん弁護士さんに相談したり、裁判所に訴えて強制執行してもらうという方法はあります。しかしこれらはなかなかハードルは高いですし、コストもかかるので泣き寝入りしてしまう方が多いのです。
このように、養育費の未払いは残念ながらよくあること。もし養育費がきちんと振り込まれたとしても、最初から全額を貯金する方向で離婚後の生活設計をしておくことをおすすめします。
関連記事:シングルマザーになってもやっていける?離婚後の生活設計を考えよう
養育費はもらえなくても生活費は足りる?
たとえ養育費が未払いになっても、離婚して生活していけるものなのでしょうか?そのカギを握るのは「収入(手当含む)」と「支出」のバランスです。収入が多く、支出がコンパクトであれば生活していけます。
そのため、できるだけ節約して支出を減らすことが望ましいものの、いったいどういった項目の支出が多くなりがちなのでしょうか?
ここでは支出の中でも大きなウエイトを占める「教育費」と「食費」について見ていきたいと思います。
【年齢別】教育費の相場
年齢別の教育費は以下のとおりです。
出典:令和3年度子供の学習費調査の結果について(文部科学省)
私立に進学すると教育費の負担が一気に重くなるのはもちろんのこと、中学生以降ではたとえ公立であっても高校受験や大学受験のための塾・予備校代がかかるので、学校外活動費がそれなりにかかることがわかります。
また、大学に進学した場合の費用は以下のとおり。(学費だけでなく学校外活動費も含む)
出典:令和2年度 学生生活調査報告(独立行政法人日本学生支援機構)
特に県外の大学に進学すると自宅から通えないことも多いので、下宿等の費用がかかってきます。大学の費用は負担が大きいので、できることなら大学進学までに進学費用を準備することをおすすめします。
教育費の他にも「食費」の負担は大きい
お子さんを育てるにあたり心配なのは「教育費」かと思いますが、「食費」も同様に負担が大きい項目となります。
その証拠に松山市の調査によると、家計を最も圧迫している費用として「食費」を挙げる方が一番多いというデータがあり、実際に33%の方が「食費」の負担が大きいという回答となりました。
関連記事:シングルマザーになってもやっていける?離婚後の生活設計を考えよう(準備中)
もちろん食費がどれだけかかるか?はお子さんの年齢によって大きく異なりますが、やはりお子さんを育てるにあたって「教育費」と「食費」の負担は大きいようですね。
この先本当に離婚に踏み切るなら、養育費をもらえなかったとしても生活していけるか?慎重に考える必要があります。
養育費をもらえない場合の対策は?
養育費はもらえないかもしれないと知りつつ、何も対策せずに離婚することはおすすめしません。そこで、事前に対策できる方法を4つご紹介します。
- 離婚する前に公正証書を作る
- 就職・転職に向けて準備する
- 就学援助などの制度を利用する
- 節約できるところは節約する
1.離婚する前に公正証書や調停調書を作成する
まず考えられるのが、あらかじめ養育費が未払いになることを防いでおくということ。
具体的には養育費の支払いについて公正証書(強制執行認諾約款付き)を作っておく、もしくは調停調書を作成しておくと、それをもとに養育費が未払いになると強制執行をすることができます。
もちろん公正証書を作らなくても養育費の支払いを求めることはできますが、やはり強制執行まで可能性があるとするなら口約束は避けておきたいところ。詳しくは弁護士にご相談ください。
2.就職・転職に向けて準備する
そもそも離婚後は養育費をもらわなくてもやっていける収入があればいいわけですから、もし今のお仕事では離婚後の生活が不安なら(または今、働いていない状態なら)就職・転職に向けて準備しておきましょう。
なお、自治体によってはシングルマザー向けの就労支援がある場合も。松山市でも資格取得するための給付制度などもあるので、どんな制度があるのか?一度確認してみてくださいね。
ここで注意しておきたいのが、シングルマザー向けの就労支援制度は離婚前には使えないということ。
とはいえ離婚が成立するまでは婚姻費用として生活費を請求できます。離婚が成立するまではそれらを活用して、計画的に就職・転職の準備を進めることをおすすめします。
3.就学援助などの制度を利用する
ひとり親家庭向けの制度だけでなく、ひとり親家庭以外でも所得に応じて利用できる制度など、実は利用できる制度って意外とあります。
たとえば、お子さんがいる家庭だと以下のような制度を利用できる場合があります。
<ひとり親家庭が使える制度>
- 児童扶養手当
- ひとり親家庭の医療費助成
<所得に応じて利用できる制度>
- 児童手当
- 幼保無償化
- 就学援助制度
- 高等学校等就学支援金制度(高校無償化)
- 奨学金制度
特に離婚する前には利用できなかった方も、離婚後は対象になるかもしれません。忘れずにチェックしておくことをおすすめします。
関連記事:離婚したら使える自治体の公的支援まとめ
4.節約できるところは節約する
支出を減らしたいなら、節約できるところは節約していきましょう。離婚することでパートナー分の収入はなくなるわけですから、できるだけ生活費をコンパクトにしていくことは重要です。
たとえば住居費。賃貸物件を借りるのではなく、可能なら実家に住まわせてもらうとかなりの節約になります。もし実家に住むのが不可能であれば、市営住宅への申し込みも検討してみましょう。
また、固定費を見直すことも節約につながります。特にスマホは格安SIMに変更すると通信費の節約にもつながるので、ぜひ試してみてください。
これら節約できる項目を見つけるために、まずは家計簿をつけて収支を確認してみましょう。
なお当店では家計相談も承っておりますので、離婚後の生活費で不安がある方はぜひ当店までご相談ください。
離婚する前にファイナンシャルプランナーに相談してみませんか?
養育費は「お子さんの権利」として大切なものですが、実際受け取れない方は多いです。
もし、離婚したのに養育費をもらえなかったとしたら本当にやっていけるのか?不安ではありますよね。そこで離婚してもやっていけるか心配な方は、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか?
「お金のこと」や「家計のこと」に特化した専門知識を有するファイナンシャルプランナーが、あなたのライフプランニングをお手伝いさせていただきます。
また当店のスタッフは全員がシングルマザーでもあるので、離婚後の家計についてだけでなく離婚する・しないのカウンセリングも承っております。
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